―― 第六章 ⑦ ――
子どもが生まれる前、
私はあるオーディション番組を見ていた。
「Nizi Project」という番組だ。
その番組がきっかけで、
私はTWICEをよく聴くようになった。
最近久しぶりにTWICEを聴いていたら、
ふとその番組のことを思い出した。
そして同時に、
ある言葉も思い出した。
プロデューサーの
J. Y. Parkさんが言っていた言葉だ。
「誰かと競って1位にならなくていい。
全員が自分のベストを尽くせばいい。」
その言葉を聞いたとき、
私はとてもいい言葉だと思った。
優しい考え方だな、とも思った。
でもそれと同時に、
少し驚いたこともあった。
その言葉を聞いていたのは、
まだ10代の女の子たちだったからだ。
この言葉を自然に受け止めていることに、
少し驚いた。
普通なら、
オーディション番組といえば
「勝つ」「負ける」「順位」という世界だと思っていた。
誰かが上に行くためには、
誰かが落ちる。
そんな空気が、
当たり前にあるものだと思っていた。
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でもあのオーディションは、
少し違って見えた。
デビューする人数が
決まっていなかったこともあってか、
「この子はこの子の良さがある」
という見方を
されているように感じた。
誰かと比べて勝つのではなく、
その子自身がどう輝くかで
見られていた。
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ナンバーワンよりオンリーワン。
その言葉を、
あのとき私は
「いい考え方だな」
くらいにしか思っていなかった。
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でも今は、違う。
子育てをするようになって、
あの言葉の意味が、
前よりもずっと深く分かる気がしている。
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子どもには、
誰かより優れている人になってほしいわけじゃない。
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この子らしく、
自分の力を発揮できる人になってほしい。
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そして本当は、
それは子どもだけじゃなくて、
私自身にも
言えることなのかもしれない。
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