てっぺんが見えてる感じがする

子育ての中で少し光が見え始めた瞬間と、心の変化を綴った記事 人生再設計

―― 第四章 ④ ――  

保育園が決まったのは、

仕事に復帰する前のことだった。

あのときの私はまだ、

「どうやって仕事と子育てを両立するか」

そればかり考えていた。

そして実際に復帰してみて、

気づいたことがあった。

私は、

仕事が嫌いなわけじゃない。

むしろ好きだった。

社会の中で働くことも、

誰かに必要とされることも、

私は嫌いじゃなかった。

ただ、

自分の性格もよく知っていた。

やろうと思えば、

私は全力で仕事をしてしまう。

手を抜くことが、

あまり得意じゃない。

それは良いことでもあるけれど、

子育てと同時にやるには

少し危険な性格でもあった。

退職を決めたとき、

私ははっきり思っていた。

今の私には、

正社員で働くのは無理だ。

仕事が嫌いだからじゃない。

むしろその逆だった。

全力でやってしまうからこそ、

今は子育てを優先したい。

だから私は、

まずはパートという働き方を

考えていた。

責任が重すぎない仕事。

燃えすぎない仕事。

ほどほどに働ける仕事。

そんな働き方が、

今の自分には

合っている気がしていた。

でもその一方で、

心の片隅に

もう一つの言葉が

浮かんでいた。

個人事業主。

ある日、

将来の働き方について

夫と話したことがあった。

会社員 × 会社員。

副業もできないし、

成果を出したからといって

どこまでも給与が

増えるわけでもない。

なんだか

融通が効かないよね。

そんな話をしていたとき、

夫がぽつりと言った。

「てっぺんが見えてる感じが、

働いててしんどい」

その言葉を聞いたとき、

私は少し驚いた。

でも正直に言うと、

あまりピンと来なかった。

「そうなんだ」

そのくらいの感覚だった。

収入の天井。

てっぺんが見える感じ。

それはきっと、

ある程度収入がある人だから

感じることなのかもしれない。

実際、

私より夫の方が

収入はずっと多かった。

だから、

夫が仕事を辞める

という選択肢は

現実的ではなかった。

家族全体で考えると、

もし働き方を変えるなら

私の方だった。

夫も毎日働き詰めだった。

きっと、

同じように

しんどさを感じていたんだと思う。

仕事と子育ての両立が

うまくいっていない現実。

もしかしたら、

私が仕事を辞める未来を

少し想像していて、

一人で家族を養うことへの

プレッシャーを

感じ始めていたのかもしれない。

物価も上がっている。

これから子どもたちにも

お金がかかる。

でも、

自分たちの人生も

大事にしたい。

だから

出費を「悪」にしたくない。

そんな話をしていたとき、

夫が言った。

「どちらかが

会社員じゃなくなれば、

何か可能性が

生まれるかもしれないよね」

そして続けて、

こう言った。

「ブログとか、

やってみたら?」

私は思わず聞き返した。

「え?

何書くの?」

そのときは正直、

全然現実味がなかった。

ブログを書く自分なんて

想像もしていなかったし、

そもそも

何を書けばいいのかも

分からなかった。

ただ、

「そんな働き方も

あるのかもしれない」

と、

少しだけ思ったことは

覚えている。

そして今、

私はこうして

ブログを書いている。

人生って、

少し面白い。

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