―― 第三章 ⑤ ――
今日、下の子が急に鼻血を出した。
顔も服も血だらけになって、
一瞬、私は固まった。
でも夫は、何も言わずに
汚れた服をさっと持っていき、
そのまま洗い始めた。
びっくりした。
「やってくれた」ことよりも、
当たり前みたいに動いたことに。
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4人で公園から帰ってきたあと、
下の子がもう一度行きたいとぐずった。
私は正直、もう無理だと思った。
すると夫が言った。
「俺、もう1回連れて行ってくるよ」
かっこいいと思った。
昔の私なら、
“連れてってくれないかな、行く訳ないだろうけど”とか
“せめてどうにか泣き止ませてくれないかな”とか、
どこかで夫に勝手に期待して
うんざりしていた気がする。
でも今日は違った。
ただ、素直に
素敵だなと思えた。
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最近、夫はお風呂も率先して入れてくれる。
平日でも、時間が間に合えば自然に。
それには理由がある。
私は、子どもたちをお風呂に入れることを
大仕事だと思っている。
夫はそれを知っている。
子どもがいる生活が始まった頃、
夫は何をしたらいいのか
分からなかったと思う。
私はそれを、
分かってくれないと
一方的に責めたこともある。
でも今は思う。
きっと夫は、
ずっと考えてくれていたのかもしれない。
「何をしたら、ママは助かるのかな」
って。
お風呂を引き受けることが、
私の心や体を少し軽くするって、
分かってくれているのかもしれない。
それは、
役割を見つけたというより、
私の事を大切に思ってくれている
その気持ちからの行動なんだと
私は気づいている。
⸻
私は母5年目。
少しずつ、自分の成長を感じている。
でもそれはきっと、
夫も同じ。
父として、5年目。
完成された親じゃない。
ただ、
子どもと一緒に育っている途中。
私も。
夫も。
そしてきっと、これからも。
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