―― 第七章 ② ――
「あなたは絵が下手だから」
そう言われたことが、
ずっと残っている。
その言葉が、
どこまで自分に影響していたのか、
最近になってやっと気づいた。
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娘が、楽しそうにお絵描きをしていた。
その姿を見て、
ふと、思い出したことがある。
「私も、小さい頃はお絵描きが好きだったな」
でも今の私は、
絵を描くのが苦手だ。
あれ?
いつから嫌いになったんだろう。
そう思ったとき、
少しずつ記憶が繋がっていった。
小学生の頃。
毎年絵画コンクールがあった。
当時の私は、
どんなことでも
“1位になること”
を求められていた。
でも、絵だけは違った。
「あなたは絵が下手だから、
絵だけは金賞が取れなくてもしょうがない」
そう言われていた。
その言葉を聞いたとき、
どう思ったのかは覚えていない。
でも今思えば、
私はそこで、
「自分は絵が得意じゃない人なんだ」
と思うようになったのかもしれない。
それは、絵だけじゃなかった。
算数が苦手。
本を読むのが嫌い。
高校受験で、
親の望んでいた学校とは違う進路になったときは、
「あなたはバカだったんだね」
と言われた。
そして気づけば私は、
自分のことを、
そういう人間だと思うようになっていた。
でも今、
こうやって文章を書いている自分がいる。
考えたり、言葉にしたりすることが、
むしろ好きだと思っている。
あれ?
じゃあ、あの認識は
何だったんだろう。
私はずっと、
自分のことを
正しく理解しているつもりだった。
でも実際は、
親に言われた言葉を、
そのまま自分の中に取り込んでいただけだったのかもしれない。
ちょうどそんなことを考えていたとき、
ある本に出会った。
ありきたりな育児の話に、
少し疲れていた時期だった。
でもその本は、
どこか、
自分の中にあった感覚を、
そのまま言葉にしてくれたような気がした。
そこには、
親の言葉や、
心の中で思っていることは、
そのまま子どもに伝わっていく。
そんな内容が書かれていた。
本を最後まで読み終えたとき、
やっぱりそうなんだと、
どこか安心したような気持ちになった。
この本を読んで、
“答え”ではなく”確信”をもらった。
親の言葉は、
思っている以上に子どもに残る。
親の言葉が、
そのまま
子どもをつくっていくのかもしれない。
でも今は、
少しだけ違う見方もできるようになった。
それは、
「本当にそうなのか?」
と、
立ち止まって考えること。
私は、
自分のことを
ずっと勘違いしていたのかもしれない。
だから今は、
昔の言葉ではなく、
今の自分を見て、
自分のことを少しずつ知っていきたいと思っている。
※今回の記事を書くきっかけになった本です
(私の中の“確信”になった1冊)
子どもの心に自信のタネをまく方法
著者:谷原由美

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